多文化コミュニケーション学科の専門科目「特別講義Ⅲ A(中国入門)」では、中国と日本や長崎の歴史、社会、文化、経済などを学ぶことを通し、中国理解を深めることを目的として講義が展開されています。
去る5月27日(月)午前、長崎市松が枝町にある旧香港上海銀行長崎支店記念館を学生約40名とともに参観しました。クルーズ船が到着する松が枝国際フェリーターミナル前に建つ巨大なペディメント4階建ての洋館です。石造洋館としては国内最大級のものであり、国指定重要文化財となっています。2階・3階部分は「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」になっており、中国革命の父〈孫文〉と、彼を物心両面で支援した長崎出身の実業家〈梅屋庄吉〉との国境を越えた友情を讃える施設となっています。約1時間、班に分かれて見学した後、館員の方から質疑応答にも答えて頂きました。
学生の振り返りを一部ご紹介します。
【学生の振り返り】
〇梅屋庄吉記念館に初めて行くことができました。当時、中国との交流を行っていたと思うと、とても不思議な気持ちになりました。私が世界史で習っていた孫文の辛亥革命の時代に建てられた建物は、とても一世紀前のものとは思えないほど立派でした。梅屋庄吉と孫文が初めて出会った場所が香港の写真館であることもとても驚きました。そして、記念館に行って初めて学んだことは、孫文に庄吉が誓った約束です。「君は兵を挙げたまえ、我は財を挙げて支援す」これは、よほどの信頼関係、良好な関係が気づけていないと誓えない約束だと思いました。そして、庄吉は現在の価格で1兆円ともいわれる破格の支援を行ったということで、生涯、公私に亘って孫文を支え続けたんだなと思いました。また行ってみたいと思いました。(1年・女子)
〇香港上海銀行長崎支店記念館に行き、中国革命の父孫文とその革命を支えた長崎出身の実業家・梅屋庄吉の国境を越えた友情や、国際貿易港であった長崎の歴史等を紹介していました。1階では銀行として使われていた当時の様子を見学できるような場所、2階では孫文とその革命を支えた長崎出身の梅屋庄吉の国境を越えた友情の物語と長崎華僑の人々の活躍が紹介されていました。3階では貿易港長崎の歴史や、日本の近代化に大きな役割を果たした上海航路と国際通信、居留地での外国商人たちのくらし、下田菊太郎の業績を紹介してありました。外国銀行という言葉自体初めて聞きましたが国指定重要文化財であり当時のものをいろんな視点で見ることができ、貴重な体験になりました。(2年・男子)
〇当日香港上海銀行長崎支店記念館に行ってみて、講義で習ったように「梅屋庄吉」さんについて分かる建物だと思っていたが、梅屋庄吉に限らず、色々な情報を得ることが出来る建物であることが分かった。「ナガサキ・タイムス」という新聞は、日本で最も古い英字新聞であること、「ナガサキ・エキスプレス」は、週刊英字新聞で発行はポルトガル人であるということ、梅屋庄吉は、子供の頃世界に飛び出して、写真や映画の事業で成功したこと、白瀬隊が南極のペンギンアデリーペンギンを持って帰ってきたこと、長崎には中国からの留学生がいたことなどを知ることができた。私はこの講義を取るまで「梅屋庄吉」と言う人物を知らなかったし、どのようなことをした人なのかも知らなかった。20年以上長崎という地に住んでいるにも関わらず、長崎についてまだまだ知らないことが多いなと感じることが出来た。また、もっと長崎について詳しくなり、長崎県外の人や、海外からの外国の方に長崎はこういう地で、こういったところが魅力的であるということを紹介することが出来るようになりたいと思った。(3年・女子)
〇私は初めて香港上海銀行長崎支店記念館に行きましたが、長く記念館の近くに住んでましたがそのような記念館があることは知りませんでした。長崎は出島などがあったので外国との関わりが広く、調べてみると他にも長崎にはいろいろなミュージアムや記念館があることに気づき今回はそのような長崎の歴史についてのミュージアムを授業でいけてとても勉強になりました。梅屋庄吉は香港で出張撮影を始めた人で、今では当たり前になっていることを昔から考えて行なっていることはとてもすごいと感じました。孫文は中学校などの歴史で少し勉強しましたが私の中であまり詳しくは何を行なった人などは知りませんでしたが、今回で少しはわかるようになり、中華民国の臨時大総統になり臨時政府を成立させた方だと勉強しました。ミュージアムの中にはクイズや写真を撮るスペースなども設けられておりとても楽しくミュージアムを見て回れたので良かったです。他にも長崎にはミュージアムがたくさんあるので探索などもしてみたいと思いました。(1年・男子)
担当:登り山和希(多文化コミュニケーション学科)
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