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【交換留学レポート】DAIKIのタイ王国 留学日記②

  • 2023.10.18
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私はタイへ来て少し時間が経った頃に、Facebookで「タイの人々は私たち日本人が忘れてしまった心を持っているように見える」とポストしています。その思いは1ヶ月たった今でも変わりません。まるで息を吐くように、挨拶をするのと同じように優しさというものが出てきます。タイと比べると日本はかなり発展していると言えるでしょう。後々話の中にも出てきますが、タイの方が日本より優れている点も、もちろん存在しますが、やはり全体的に見ると日本の方が発展していると感じます。しかし、その発展にともない生活は豊かになっていった一方で、私たち日本人は大切なものを見失ってしまったのかもしれません。

「人間は決して一人では生きていけない」皆さんも聞いたことがある言葉かもしれません。私は尊敬する大学の先生にこの言葉を教わりました。そうなのです。本当にそう思います。私たち日本人は恵まれた環境に生まれ育っているからこそ、これに気がつくことができないのだと思います。環境に恵まれていないからこそ、タイの人々は何か問題があれば互いに助け合い生きています。「人は人のために生きる」という意味を本当によく理解しているように見えるのです。長くなりましたが、私たち日本人が発展とともに手放してしまった本来あるべき人間の姿・心をタイの人々は今も大切にし続けているということを伝えたかったのです。日本の方が物理的には豊かかもしれませんが、間違いなく心はタイの人々の方が豊かだと思います。

そんなタイの人々は日本という国、日本の人々をとても尊敬しているように見受けられます。ここで少し私が日本にいるときのお話をしましょう。私がタイへ留学に行くと言ったとき、それを聞いた日本人の反応は「え、なんでタイ?」とほとんど同じものでした。とりわけ、この反応に違和感は覚えませんでした。なんとなく予想できた反応ですからね。英語圏でもなければヨーロッパの国々でもなく、語学においてもタイ語はニーズが高いとは決して言えません。そして日本より発展の遅れている、いわば成長途中の国ですから、皆さんの反応には違和感を覚えなかったのです。そして話はタイへ戻りますが、最初の一週間を過ごしてみて私は自分の過ちに気がつきました。それは、私自身がタイにいきたいと思っていた反面、頭のどこかでこの国ことを日本より下にみていたのです。正直に話しましょう、本当に愚かで未熟な人間だったと反省しています。

                        

では、なぜこの過ちに気がついたのでしょうか。それはこの話のテーマである「日本へのリスペクト心」に沢山触れたからです。これには色々な出来事がありますが一例を挙げると、会話の中で日本について話す時、タイの人々は「日本は〜だよね、でもタイはそうじゃないんだよ」「日本って〜でしょう??素敵だよね」って話すんです。つまり、彼らの頭の中にもタイと日本を比べると日本の方が優れているという認識があると言えます。私はこの国へ来ていまだに日本の悪口を聞いていません。そんなタイ人の言動を見ているうちに私は自分が間違っていたことに気がついたのです。何度もお話ししていますが、確かに環境が恵まれている、恵まれていないというのは国によって差がありますし、優劣がついてしまうものだと考えます。しかしそれはその国のほんの「一面」にしか過ぎないのです。私を含め私たちのような日本人は本来見るべきものを見ず、自分たちにとって都合の良いものだけで優劣の判断をしているのではないでしょうか。

間違いなく世界の国々に「差」は存在します。ですがやはりそれはほんの一面にしか過ぎないのです。日本人を含め私たち人間は互いにリスペクトし尊重し合う必要があります。中身を見ようとすらせず、外側だけでその国やその国に住む人々を知り得たような考えになることほど愚かなことはありません。私はタイの人々が持つ日本へのリスペクトの心を見てそう感じたのです。留学日記①から②までと長くなりましたが、これがタイへ来ていちばん最初に感じた異文化です。私はこの経験を1ヶ月前は言葉にして表現することができませんでした。そう思うと私も少しは成長したのかなと感じています。

③へ続く・・・

外国語学科3年 牧野大輝