5か月間の交換留学も残り数日で終わりを迎えるが、12月はクリスマスと年越しという大きく盛り上がるイベントが2つあり、最も記憶に残る月となった。ホストファミリーがいない私は、これらのイベントの日をどのように過ごすか迷っていたのだが、運良くも友人の家族に快く受け入れてもらったため、クリスマスと年越しを共に祝うことができた。フィリピンのクリスマスは日本との共通点と相違点の両方があった。プレゼント交換を家族や友達間で行う点で日本と同じであると感じたが、日本ではクリスマスというとカップルで過ごす人が多い一方、フィリピンでは家族で過ごす人が大多数であるという相違点もあった。フィリピンは国民のほとんどがクリスチャンであるためが故のことだろうが、25日のクリスマス当日は教会へ足を運び、クリスマスを教会で祝福する人が多いこともわかった。フィリピンでのクリスマス文化は日本以外でクリスマスを過ごしたことのなかった私にとって新鮮かつ貴重な経験となった。
クリスマスからちょうど1週間後の大晦日はクリスマスの日に受け入れてもらった家庭とは別の家庭で過ごした。年越しの仕方も日本とは異なり、花火が上がるなど賑やかだった。31日の夜頃から花火の音が聞こえ始め、23時を過ぎると花火の音は激しくなり0時になり年が変わった瞬間、さらに盛り上がりを見せた。友達から日本では花火を上げないのかと聞かれて、今まで考えたこともなかったことに気づき、日本では海外と比較して静かに年を越すことを初めて意識した。フィリピンのテレビやYouTubeでは世界各地の映像がライブ配信されており、配信されていたすべての国に花火が映っていたため、年を越すときに花火を上げない日本が逆に珍しいのではないかとさえ思った。また、フィリピンでは年越しの時間が近づくにつれ、車のクラクションの音も聞こえた。日本ではクラクションを必要なく鳴らすのはタブー視されているため、日本に慣れた私にとっては心地悪く感じたが、クリスマスも含め、いつもとは一味違う年越しを過ごすことができ、忘れられない思い出になった。