突然ですが、皆さんはアプリを作ったことはありますか?
このようにたずねると、ほとんどの人が「そんなの考えたこともない」と答えます。
しかし、最近は中学校や高校でも、簡単なアプリ製作を経験できるようになりました。
なぜ、そんなことができるの? 難しい知識や技術が必要なんじゃないの?
こういう疑問にこたえるためには、実際、やってみるのが一番。
そこで今回は、この道のプロフェッショナルを大学に招きました。
ゲスト講師、中村星斗(なかむら・ほしと)さんの授業を紹介します。
自分で作ったアプリを操作
これを実施したのは、主に3年生が受講する「中小企業論」の授業(担当:吉田先生)。
普段は『21世紀の中小企業』という教科書で勉強しています。
中小企業というのは、その名の通り、人員も生産活動も小さい企業。
日本企業の97%は中小企業。そして労働者の7割は中小企業に勤めています。
その強みは、小回りが利き、独自のネットワークを作れること。特定の技術や商品を駆使して日本経済を支えてきました。
ところが、中心となる製品やサービスのほかには人手や手間を割けない。ここが弱みとなります。
そこで、その部分をカバーするために他の事業者や顧客との結びつきを強めます。
現在の中小企業は、コロナ禍と戦う中でも、特有の工夫を凝らしてきました。
そのひとつが〝DX〟(通称「ディーエックス」、デジタル・トランスフォーメーションのこと)の取り組みです。
それを学ぶために今回はゲスト講師の 中村星斗さんにお越しいただきました。
システムを使ってもらうための〝SIer〟 (システムインテグレーター) というお仕事をされている方。
雲仙市を拠点に〝観光DX〟などを推進してきたことで知られています。
実際のビジネス課題を紹介
企業の現状と理想を見極める
11月28日は、所属される ㈱シーエーシー (CAC) 社のAI技術やそのビジネスについて紹介いただきました。
そして続く12月5日、12日は、ビジネスの課題を解決するための「アプリ」開発について教わりました。
この授業を通して、一緒に考えていったのはある中小企業さんから依頼のあった案件。
その企業さんでは、新鮮な野菜をスーパーなどにおいて、一定の販売ルートを築いてきたそうです。
一方、ネット注文などを通じた直接の販売も手掛けていますが、こちらは思うほど伸びていないのだとか。
同社としては、直接販売の増加を目指しているため、そのための手立てを模索しています。
そこで、中村さんがニーズと実態を聞き取り、今後の方策をいくつか考えました。
そこで浮上したのが「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」。
一人一人のお客様とつながりを築いていく手法です。
そのために考案したのが、アプリを用いたソリューション(解決策)だったのです。
それによって、中小企業さんのニーズにどうこたえるのでしょうか。
ICTルームでのアプリ製作
アプリ製作の画面
(後半の記事に続く)
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