NEWS

経済政策学科

【学会の開催】〈善く生きる〉ための社会学 国際研究セッション@出島メッセながさき(後半)

  • 2023.12.28
  • 経済政策学科

 11月11日(土)は、比較文明学会のシンポジウムが開かれました(前半の記事を参照)。

 続く11月12日(日)は、吉野先生が代表を務める研究会のセッションが開かれました。

 この日に合わせて、東京、京都、大阪、神戸から研究メンバーが参加。

 モスクワからはサヤナ・ミトゥポヴァ先生が駆け付けました。

 ミトゥポヴァ先生は鎮西学院でも授業をしました(別記事に紹介)。

 

比較文明学会

ミトゥポヴァ先生(左)と吉野先生

 

 このセッションでは、初めに吉野先生からテーマが紹介されました。

 社会学、人類学、歴史学のメンバーで研究会を開いています。

 研究会のテーマは「〈善く生きる〉ための社会学」を構築するための思想を整理すること。

 そのために、ロシアをはじめとするヨーロッパの亡命知識人について研究しています。

 そこで、まずはミトゥポヴァ先生から、20世紀初頭におけるロシア社会学の源流について紹介がありました。

 チェコ史を専門とする京都大学の中辻先生は、1920年代に亡命ロシア人たちが集ったチェコスロヴァキアの首都プラハについて発表。

 同じく京都大学の阿毛先生は、プラハを経てパリに移り、1930年代以降、ヨーロッパ社会学の中心となっていくジョルジュ・ギュルヴィッチの思想について発表しました。

比較文明学会

プラハのロシア人拠点について話す中辻先生

 

比較文明学会

ギュルヴィッチとバランディエについて話す阿毛先生

 

 この後、鎮西学院大の吉田先生からは、同じく亡命ロシア知識人で、ベルリン、プラハ、パリを経て1930年代にボストン、ニューヨークに移ったニコライ・ティマシェフの思想について紹介。

 神戸大学の梅村先生からは、ドイツ各地で活躍し、ナチスの勢力拡大を受けて1940年代デンマークに拠点を移したテオドール・ガイガーの思想が紹介されました。

 最後は、会場の皆さんから様々な質問を受けました。

 この機会を通じて、〈善く生きる〉ことのできる社会について様々な意見が交わされました。

 学会の先生方、そして盛り上げに一役買ってくれた学生の皆さんに、深く感謝します。

 学生たちにも、こういった深い、深い思想の研究に興味を持ってもらえればよいですね。

 比較文明学会の皆さま、貴重な機会をいただきありがとうございました。

 

比較文明学会

ティマシェフの思想について話す吉田先生

比較文明学会

ガイガーの思想について話す梅村先生