地域出身の人物に、高田保馬 という有名な学者さんがいます。
その貴重な歴史資料が現在、鎮西学院大学にあります。その分量は、なんと段ボール5箱分(!)
今日は、その段ボールを開封しました。これから半年間みんなで手分けをして、その遺品 (いひん) を整理していきます。
そこには、いったいどんな内容があるのでしょうか? その偉大な学業 (がくぎょう) とは?
この日、吉野先生がガラガラと引いてきた荷台には、めいっぱいの段ボールが積んでありました。その中身を空けてみると、そこには昔の手紙やメモ帳、写真や掛け軸といった様々なものが収められています。
「これは1929年・・・今から94年前の手帳ってこと?」
「なにやら書いてるよ。これ、英語? ドイツ語?」
「すごく達筆で書かれた和歌の掛け軸」
「マンヂューっていうのは、おまんじゅうかな」
学生と先生たちで内容を見ていくと、どんどん、大昔にタイムスリップしたような気持ちになります。どれもこれも、たいへん貴重な資料です。ひとつひとつ袋から取り出し、丁寧に、ひもといていきます。
この授業は、鎮西学院大学のCSL(コミュニティ・サービス・ラーニング)というプログラムのひとつ。「いじん(偉人/異人)にならう」というテーマで地域の出身者たちの偉大な歩みを学んでいます。
今回の資料を残したのは佐賀県小城市(おぎし) の出身者、高田保馬さんという人物。高田さんは今から140年前の1883年、現在の小城市に生まれました。その後、大正時代から昭和時代にかけて活躍。京都大学などで教鞭をとり、経済学と社会学の分野で優れた研究を残しました。
「いじんにならう」を担当しているのは本学の吉野浩司先生(経済政策学科)。今年度は吉田耕平先生(同学科)も加わります。学生のみんなで手分けして様々な偉人について学んでいます。今回、高田保馬さんの遺品を整理するのは「いじんにならう」の「II」という授業です。
これらの資料は、小城市立の歴史資料館から借り受けてきたもの。この歴史資料館では、高田保馬さんの遺品をたくさん保管しています。いずれも高田さんの遺族から預かっているものです。吉野先生は、その整理を委託されているのです。
(続く)