長崎は、原子爆弾によって甚大な被害を受けました。このことを知らない人はいないでしょう。
それでは、その被害を最初につまびらかにして世界に示したのは誰でしょうか? この点は意外と知られていません。
それは、米国から派遣されてきた4000人の調査団でした。
本学では、その足跡をたどる授業をおこなっています。
先月実施した長崎原爆資料館への調査訪問を紹介します。
写真1:調査団のレポート
これをおこなっているのは、PBL (ピービ―エル、プロジェクト ベイスト ラーニング) 授業のひとつ《災禍にいどむデータ解析》です(担当:吉田先生)。
このPBLでは、隠されたデータや、十分に知られていないデータが社会問題を解決する糸口となることを学んでいます。
この11月24日(金)は、学生8名が長崎原爆資料館の視察調査に参加。10人乗りの車に揺られて40分、同館に辿り着きました。
長崎原爆資料館では、同調査団の作成・保存資料を探していきました。
常設展の中でも、とくに目を引くのが映像シアターです。同調査団が撮影した被爆直後の浦上地区が、まざまざと映し出されます(写真2)。
このほか、企画展には収蔵資料の展示もありました。同調査団の資料はありませんでしたが、未展示だった内容に興味津々です(写真3)。
写真2:映像シアターの鑑賞
写真3:収蔵資料の企画展示に見入る
その後は、いよいよ同調査団によって作られたレポートを見に行きます。場所は長崎原爆資料館の一角にある図書室です。
ここには、同レポートの原文を復刻 (ふっこく) した全50巻の書物が収められています。
あらかじめ、印刷のお願いをしておいたのが、長崎に関わる400ページほどの内容。
それを一つ一つ、確認しながら、膨大なデータおよび分析があることに驚きます(写真4)。
この日は、その翻訳版を持参しました。照らし合わせてみると、内容の違いがあることに気づきます(写真5)。
その内容を追っていくと、長崎原爆についての知られざるデータのありかが浮かんできます。
今後も、HPではこの活動についてレポートしていきます。
写真4:英文版のコピーを確認
写真5:英語版の書籍とコピー、そして日本語版を照らし合わせる
<付記>
このエクスカーションは長崎原爆資料館のご協力のもとで実施可能となりました。
展示室ならびに図書室の撮影および写真の掲載もご了承いただき、誠にありがとうございました。
この日に向けて膨大なコピーを作成いただいた司書の皆様にも感謝申し上げます。