NEWS

経済政策学科

【ゼミ紹介】普賢岳、33年前の爪痕に学ぶ/災害フィールドワーク [No.02]

  • 2024.03.29
  • 経済政策学科

鎮西学院大学の3年生、4年生は、「専門ゼミ」に所属します。

2年生のあいだに、上級生の活動を見ながら自分なりのテーマを考え、いよいよ3年生になったらゼミの配属を決めます。

前半の記事では、3年ゼミ(吉田先生担当)の夏休み活動を紹介しました。

後半の記事では、その後、春休みにおこなった災害フィールドワークを紹介します。

 

 

これまでの一年間、書籍や映像資料、がまだすドームの展示を通じて普賢岳の「平成大噴火」を学んだ学生たち。

今回は国土交通省の雲仙砂防管理センターから特別な許可を得て、「定点」と呼ばれる地区に立ち入りました。

ここは33年前の1991年6月3日、火砕流によって報道陣および地域の住民、消防団員や警察官が尊い命を落とした場所です。

「平成新山」を真正面から見れる絶好の場所。しかし、それゆえにひとたび岩石が生じると直撃を受けます。

今なお、この場所は一般の人たちが立ち入れない場所。その重みを感じながら、二度と繰り返してはいけない歴史を学びました。

 

その後は、同じ地域の「安中公民館」 (あんなか こうみんかん) に移りました。

ここも、当時の新聞記事にたびたび出てくる場所。多くの人が避難生活を送ったことで知られています。

ここでは様々な記録、記憶をもとに、普賢岳の麓 (ふもと) で営まれていた暮らしについて思いをはせました。

はじめて実地に足を運び、直接、災害に関わった人たちの生活に触れた学生たち。

当時の災害がどのような影響を持ったのかを考える貴重な機会となりました。

 

 

 

今回のフィールドワークにおいては、雲仙砂防管理センター(国土交通省)、安中公民館(島原市)、がまだすドーム、地域の事業者、そして住民の皆さまから惜しみのない協力をいただきました。

次年度は、デジタル・アーカイヴの製作と活用を通じて、このフィールドワークの知見を地域に還元していきます。

このように、地域の取り組みに大学が関わっていくゼミ活動もあります。ゼミ選びの際は、こうしたゼミ活動の情報をどんどん収集するとよいでしょう。

 

前半の記事:

【ゼミ紹介】雲仙岳の歴史を学ぶ/災害フィールドワーク [No.01]

参考:関連活動

【学外ゼミ】普賢岳スクラップブックの誕生/全97冊の製作秘話 [No.1]