社会福祉学科には「どんな先生がいて、どんな研究をしているのか」興味や関心を持ってもらえるように教員紹介を行います。今回は力久先生です。
私は、「精神保健福祉/精神科ソーシャルワーク」という分野で、精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー:Mental Health Social Worker またはPsychiatric Social Worker)の養成を担当しています。メンタルヘルスに関連する疾患をもっていても、クライアントが住み慣れた場所で自分らしく暮らしていくことができるように、サポートする専門職です。
学生時代から海外にも興味があり、大学院生の時にカナダのトロントで、ACT(Assertive Community Treatment:アクト)という精神科の地域治療プログラムを体験的に学びました。これは、スタッフがクライアントの自宅を定期的に訪問し、診察、薬などの医療ケアから、買物、掃除、料理などの日常生活に必要となる多様な支援を提供するものです。時には一緒にコンサートやピクニック、カフェに出かけ、おしゃべりやイベントを楽しみます。「医療専門職」と「患者」という関係の枠にとらわれず、時には「友達」や「仲間」のように、スタッフが気兼ねなくクライアントとのかかわりを楽しむ姿が、とても心地よく感じました。
もちろん、ナイアガラの滝をはじめ、多民族都市トロントの美味しい料理を堪能したり、観光や遊びも存分に楽しみました!初めは、言語の理解や文化の違いに戸惑い、ホームシックになりかけたこともありましたが、現地で夢を抱いて頑張る同世代の日本人の友人、カナダでの生活の仕方を教え、サポートしてくれるカナダ人の友人、ACTについて一生懸命教えてくれる素晴らしい恩師など、たくさんの人に出会い、刺激を受け、支えられました。彼らとの出会いはかけがえのない素晴らしいものです。
福祉と海外というのは、なかなか結び付かず、イメージしにくいかもしれません。しかし、様々な事情を抱え、生活に課題をもつ人を支援する方法は、世界にはたくさんあります。そこでは実践だけでなく、そこで働く人の価値観や文化、考え方などを知ることができます。ぜひ、大学生の時に海外にも目を向けてほしいですが、福祉という視点から海外をみるのも、とても面白いです。様々な人との出会いからの学びを得て、より一層大きく成長できるはずです♪